量子凝縮相研究チーム

主宰者

主宰者名 河野 公俊 Kimitoshi Kono
学位 理学博士
役職 チームリーダー
略歴
1982東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 博士課程修了
1982兵庫教育大学学校教育学部 助手
1987同 助教授
1989筑波大学物理学系(低温センター) 助教授
1992東京大学物性研究所 助教授
2000理化学研究所 河野低温物理研究室 主任研究員
2013同 創発物性科学研究センター 量子情報エレクトロニクス部門 量子凝縮相研究チーム チームリーダー(現職)
2018国立交通大学 国際半導体産業学院 講座教授(現職)

研究室概要

極限的な清浄度を有する液体ヘリウム表面の2次元電子系やイオンなどを、一電子あるいは一イオンのレベルで制御する技術を開発し、その量子素子への応用を追求する。具体的には、面内方向の空間的な閉じ込めによる離散準位間や垂直方向の表面準位や原子・イオンの量子遷移について、マイクロ波分光やレーザー分光を用いて、超流動ヘリウム環境に置かれた単一量子系の量子過程に関する研究を行う。

研究分野

低温物理学

キーワード

超流動
2次元電子系
マイクロ波
ナノデバイス
量子計算

研究紹介

超流動ヘリウム中のジスプロシウム原子による素励起の研究

液体ヘリウムは金属原子やイオンと様々な相互作用を行い、多様な量子現象を発現する。超流動ヘリウム中にレーザーアブレーションにより導入したジスプロシウム(Dy)原子の内殻励起のレーザー分光により、超流動ヘリウム中の素励起(フォノン・ロトン)とDy原子バブルの相互作用について詳細な研究を行った。

これまで、レーザー励起に伴うDy原子の吸収スペクトルの高エネルギー側に新しいスペクトル構造を観測し、それがフォノンウイングと呼ばれる、Dy原子の内殻励起にともなって素励起を1つ放出する過程に起因することを明らかにした。一方、素励起の生成を伴わない、シャープなゼロフォノン吸収線の線幅からは、超流動ヘリウム中に熱的に励起された素励起のDy原子バブルによる散乱の頻度に関する情報が得られる。

これまで測定の難しかったゼロフォノン線の線幅の測定に成功し、その理論的解析を行った。その結果、線幅の温度変化を定性的に説明することができたが、定量的な説明のためには、なお微視的な理論を整備する必要があることを明らかにした(図)。

超流動ヘリウム中の素励起の分散関係(黒色線、右側の縦軸)とDy原子バブルによる素励起の散乱断面積(赤色線、左側縦軸)。素励起の1.5 Kにおける励起密度(青色線、縦軸任意)。2本の水平破線は原子バブルの固有振動モードの周波数(計算値)。

メンバー一覧

河野 公俊 Kimitoshi Kono

チームリーダー kkono[at]riken.jp R

研究紹介記事