トポロジカル量子現象研究ユニット
主宰者
主宰者名 | Tian Liang | ||||||||||||
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学位 | 博士(理学) | ||||||||||||
役職 | ユニットリーダー | ||||||||||||
HP | http://www.phys.tsinghua.edu.cn/phyen/info/1068/1504.htm | ||||||||||||
略歴 |
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研究室概要
当ユニットでは、凝縮系物理学実験、特にトポロジカル物質、強相関物質の新奇特性に関する研究を行う。まず基礎物理の観点からバンド構造における非自明な幾何学特性に着目し、これが系に及ぼす新奇な電気的、熱的、磁気的量子効果の測定を目指す。また、高性能熱電材料などの物質設計および散逸の少ないデバイスの構築など、応用に関しても取り組む。上記目標の達成のため、世界中の研究者と共同研究を進め、基礎物理および応用への理解の促進に繋げる。
研究分野
物理学
キーワード
凝縮系物理学
トポロジカル量子物質
ベリー位相物理
熱電効果
強相関電子系
研究紹介
ネルンスト応答による、強誘電ワイル半金属におけるベリー曲率生成の検出
自由に調整可能な非磁性ワイル半金属の探求は、依然として難しい課題となっている。対称性を破るパラメータとして強誘電体秩序を操作することにより、ワイル半金属相のオン/オフを切り替え、フェルミレベルの周りのバンド構造を調整し、ベリー曲率を生成するワイルノードの運動量空間での分離距離を拡大/縮小することができる。我々はインジウムドープされたPb1-xSnxTe合金に基づく強誘電非磁性ワイル半金属の実現に成功した。ここで強誘電性の強さはインジウムドーピングレベルとSn/Pb比を調整することにより変動可能であり、系の空間反転対称性とミラー対称性は強誘電性により破れている。面外および面内配置における横熱電効果、すなわちNernst効果をベリー曲率に対する高い感度をもつ実験プローブとして用いることにより、磁場印加により再分布したワイルノードが生成するベリー曲率を検出した。この結果は、高い調整性をもつ強誘電体秩序と融合したクリーンな非磁性ワイル半金属の存在を示し、非磁性システムにおけるワイルフェルミオンを操作するための理想的なプラットフォームを提供する。
メンバー一覧
Tian Liang | ユニットリーダー | tian.liang[at]riken.jp |
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主要論文
- C.-L. Zhang, T. Liang, Y. Kaneko, N. Nagaosa, and Y. Tokura
Giant Berry curvature dipole density in a ferroelectric Weyl semimetal
- C.-L. Zhang, T. Liang, M. S. Bahramy, N. Ogawa, V. Kocsis, K. Ueda, Y. Kaneko, M. Kriener, and Y. Tokura
Berry curvature generation detected by Nernst responses in ferroelectric Weyl semimetal
- C.-L. Zhang, T. Liang, N. Ogawa, Y. Kaneko, M. Kriener, T. Nakajima, Y. Taguchi, and Y. Tokura
Highly tunable topological system based on PbTe-SnTe binary alloy
- J. J. He, T. Liang, Y. Tanaka, and N. Nagaosa
Platform of chiral Majorana edge modes and its quantum transport phenomena
- K. Yasuda, H. Yasuda, T. Liang, R. Yoshimi, A. Tsukazaki, K. S. Takahashi, N. Nagaosa, M. Kawasaki, and Y. Tokura
Nonreciprocal charge transport at topological insulator/superconductor interface